在宅ワークがしたくて|校閲テストで痛感した「準備不足」と「おごり」
はじめに
自分で仕事を見つけるのは難しいと感じ、紹介会社に頼り雇もらえば何とかなるのではないかと考えた。就職サイト・転職サイト・職業紹介サイトを片っ端からチェックした。営業サポート、ライティング、事務サポートなど、合計10社に応募。履歴書を送り、志望動機を練り、夜な夜なパソコンに向かった。
しかし、結果は散々だった。
履歴書を送った直後に「今回はご縁がなかった」というお祈りメールが届く会社もあれば、連絡すらない会社もあった。派遣会社にも登録したが、条件の合う案件はなく、紹介会社からも「条件の近いものがあればご連絡いたしますね」とやんわり断られた。
求人は多い時期なのに、なぜか自分だけが決まらない。
焦りと不安が募る中、1社だけ、テストを受けさせてくれる会社があった。それが「校閲の仕事」だった。
校閲テスト当日、理想と現実のギャップ
週数日、22:30~0:30の2時間だけの仕事であったので、育児をしながらでもなんとかできると感じた。履歴書で不採用、ではなく、初めて仕事を実際にしてテストをしてもらえることになった。
テスト1週間前に届いたマニュアルとサイトのURL。
他の校閲者の修正履歴も見られ、事前に予習できる環境は整っていた。
事前に読み込んで、できるんじゃないかなと思っていた。
だが、実際に作業を始めてみると、マニュアルを読むのと「やってみる」のとではまるで違った。
22:30、テスト開始。
パソコンの前に座り、深呼吸をして作業を始めた。
だが、すぐに壁にぶつかった。
違和感を感じるが、指摘対象となるのかどうかわからない。
マニュアルに書かれているルールを頭では理解していても、実際の文章に当てはめると混乱する。
「これでいいのか」「修正しすぎていないか」――迷いながら進めるうちに、時間だけが過ぎていった。
さらに最悪なことに、途中で子どもが夜泣きで起きてしまい、作業を中断することになってしまった。それでもマニュアルを確認しながらパソコンに向き合った。
気づけば0:30。終了の連絡を送り、わずかな期待とともにパソコンの画面を閉じた。
その夜は、全然寝付けなかった。
数日後に届いた「不採用」のメール
数日後、メールの受信ボックスに「選考結果のお知らせ」という件名が届いた。
この数日、常にメールボックスを確認していた。心待ちにしていた瞬間だった。
ほんの少しの期待で浮足立つ気持ちに、きっと落ちてる、落ちてたって傷つかないよ、と牽制しながらメールを開いた。
「今回はご希望に沿うことができません。」
――あぁ、そうか。気持ちに予防線を張っておいてよかった。
業務委託の、しかもこんなに短い時間の仕事すら私には任せてもらえない。自分は社会不適合者なのだと言われているみたいで悲しかった。
看護師として働いていた頃は、どんなトラブルがあっても、その場で対処してきた。
命を預かる現場で、冷静に判断し、行動してきた自負があった。
あの時だって、幼い子どもを2人も育てていたし、家事だって子どもの病院だって全部一人でやってきたのに。
それなのに、たった2時間のパソコンに向き合うだけの仕事で戦力外通告を受けた。
その現実が、情けなくて仕方なかった。
痛感した「準備不足」と「おごり」
今回の失敗で、痛感したことがある。
それは、「在宅ワークでは、誰も教えてくれない」ということ。
オリエンテーションも説明会もなく、マニュアルとメールだけが頼り。
つまり、どれだけ自分で準備できるかがすべてだ。
マニュアルを熟読し、サイトの記事を読み込み、他の校閲者の修正を分析しておくべきだった。
それを「なんとなく」で済ませたのは、自分の甘さだった。
「看護師として修羅場をくぐってきた」「文章を書くのは得意」――そんな根拠のない自信があった。
カルテも報告書も学会発表も経験してきたから、校閲もできるだろうと高をくくっていた。
だが、現実はまったく違った。
校閲には、文章の正確さだけでなく、文法・表記・語彙・媒体ごとのルールなど、専門的な知識が必要だった。
AIで事前に学習しても、実際の現場では通用しなかった。
「おごっていた」――その言葉が、何度も頭をよぎった。
看護師時代との決定的な違い
看護師の仕事は、チームで動く。
困ったときは先輩や医師に相談でき、現場で学びながら成長できた。
だが、在宅ワークはすべてが自己完結。
誰も助けてくれない。
自分で考え、判断し、行動するしかない。
事前にできる準備はすべてしておくべきだった。
校閲なんて、どうして自分にできると思ったんだろう。
どうしで、あんなに自信を持てたんだろう。
看護師時代の「即応力」は、就活では「準備力」に置き換わる。
現場で瞬時に対応する力よりも、事前にどれだけ理解し、整えておけるかが問われる。
その違いを理解していなかったことが、最大の敗因だった。
失敗から得た教訓
今回の反省点をまとめる。
- 在宅ワークは「自走力」がすべて
指示を待つのではなく、自分で調べ、考え、動く力が必要。 - 「できるだろう」という思い込みは危険
経験や肩書きに頼らず、常に学び直す姿勢を持つこと。 - 家庭との両立には「計画性」が不可欠
子どもの夜泣きや突発的な出来事も想定し、作業時間を確保する工夫が必要。 - 失敗は「次への教材」になる
どんなに落ち込んでも、反省を言語化すれば、次の挑戦の糧になる。
思い返せば、看護師でも同じことが必要だ。業種が変わるだけでここまで想像力が乏しくなるとは。40歳元看護師。私はどこまでも世間知らずのおばさんであることを痛感した。
まとめ
在宅ワークは、自由で柔軟な働き方に見えるが、実際は「自己管理」と「準備力」が試される世界だ。
今回の校閲テストで、改めて自分のいい加減さと知識のなさ、無力さ、愚かさ、想像力の乏しさ、すべてを突きつけられた。。
看護師として培った観察力や責任感は、必ず在宅ワークにも活かせるはず。
ただし、それを発揮するため事前準備を徹底的にしなければならない。
就活とは、自分の未熟さと弱点に向き合わなければならない、40歳には非常にきつい挑戦だ。



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